インデックス積立投資の弱点とリスクを徹底解説
目次
インデックス積立投資の主な弱点
インデックス積立投資の主な弱点は、「投資市場の低迷」「利益率の限界」「価格変動」「積立後半の暴落リスク」です。最も配慮が必要なのは、積み立て期間後半の暴落リスクでしょう。
市場全体に依存
インデックス積立投資の最大の特徴である「市場全体への投資」は同時に弱点でもあります。ベンチマークとする市場全体が低迷した場合、リターンが著しく限定されるリスクがあります。
- リスクの具体例
- 世界的な金融危機(例:2008年リーマンショック)やパンデミック(例:2020年の新型コロナウイルス)では、ほぼすべての主要指数が大幅に下落しました。個別銘柄であれば回復の見込みがある場合も、インデックス全体が下落した場合には、回復には市場全体の改善を待つ必要があります。
- 影響
- 投資家の資産は市場全体に左右されるため、特定の優良銘柄が市場を牽引しても、他の低迷している銘柄の影響で利益が薄まります。
上昇率に限界
インデックス投資の目的は「市場平均のリターンを確保する」ことであり、市場平均を超えるリターン(超過リターン)は期待できません。
- アクティブ運用との比較
- アクティブファンドは市場平均を上回るリターンを狙いますが、成功するのはごく一部です。一方、インデックス投資はそのようなチャンスを狙わないため、市場平均以上の利益を求める投資家にとっては物足りない選択肢となることがあります。
- 影響
- 特定のセクターや企業が大きく成長しても、それがインデックス全体の構成比に占める割合が小さい場合、リターンへの寄与は限定的です。
短期的な価格変動
インデックス積立投資は長期運用を前提としていますが、短期的な価格変動は避けられません。この変動は特に次のような場面で心理的な負担をもたらします。
- 暴落時の心理的影響
- 市場全体が急落した場合、積立の結果として保有している資産価値が大きく目減りする可能性があります。長期投資で回復が見込めるとしても、暴落時にパニック売りをしてしまうリスクがあります。
- 具体例
- 2020年のコロナショックでは、S&P 500が短期間で30%以上下落しました。この局面で積立を継続する勇気を持てなかった投資家は、結果的にその後の急回復を逃してしまいました。
積立期間後半の市場エクスポージャー増大による暴落リスク
インデックス積立投資において、最もリスクが高まるのは投資期間の後半です。この時期には、資産総額が大きくなっているため、暴落の影響が投資初期に比べて格段に大きくなります。
- リスクの背景
- 積立投資では、初期は拠出金の割合が資産に占める比率が大きいため、価格変動の影響は小さくなります。しかし、資産が増えるにつれて市場変動の影響がダイレクトに反映されます。
- 具体例
- 2008年のリーマンショックでは、積立期間後半に資産を増やしていた多くの投資家が、大幅な損失を被りました。
リスクを避けるための対策
- グライドパス戦略
- 年齢や投資期間に応じて、リスク資産(株式)の比率を徐々に減らし、安全資産(債券や現金)への移行を進めます。これにより、暴落時の資産への影響を抑えることができます。
- ポートフォリオの調整
- 投資終了時期が近づいたら、資産全体のリスクを見直し、価格変動に左右されにくいバランス型ポートフォリオを構築します。
- 金融危機に強い投資戦略の採用
- 金融危機ではボラティリティが拡大し、資産価値の下落とレートの乱高下が発生します。そのような状況では様々な資産価値が暴落します。金融危機に強いのがゴールド、オプション取引、FX自動売買(EAポートフォリオ)等です。
インデックス積立投資は優れた手法である一方で、これらの弱点を認識し、計画的な対策を取ることが成功の鍵となります。次章では、これらのリスクをより具体的に掘り下げるとともに、対策方法について解説していきます。
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