NASDAQ100インデックス投資
目次
NASDAQ100の基本概要
本項では、構成銘柄、指数の特徴、対象外の業種等のNASDAQ100の基本概要について解説します。
NASDAQ100とは?
NASDAQ100とは、アメリカのNASDAQ(ナスダック)市場に上場する企業のうち、時価総額の大きい100社で構成される株価指数です。NASDAQ市場自体は、主にテクノロジー企業が集まることで知られていますが、NASDAQ100はその中でも特に成長性が高く、影響力のある企業を集めた指数として世界的に注目されています。
NASDAQ市場の上位100銘柄で構成
- NASDAQに上場する約3,000銘柄のうち、時価総額の大きい100社を選定
- 年1回(12月)に銘柄の入れ替えが行われる
- 流動性の低い銘柄や経営不振の銘柄は除外されるため、常に強い企業が含まれる
テクノロジー分野が中心
- NASDAQ100の最大の特徴は、構成銘柄の約50%〜60%がテクノロジー企業であること
- AI、クラウドコンピューティング、半導体、電気自動車などの成長セクターをリードする企業が多く含まれる
主要構成銘柄
NASDAQ100には、世界を代表するテクノロジー企業や成長企業が多く含まれています。2024年時点の主要構成銘柄を例示すると、以下のような企業が挙げられます。
企業名 | 業種 | 概要 |
---|---|---|
Apple(AAPL) | テクノロジー | iPhoneやMacを展開する世界最大の企業の一つ |
Microsoft(MSFT) | ソフトウェア | WindowsやAzureクラウドサービスを提供 |
Amazon(AMZN) | Eコマース・クラウド | ネット通販とAWSクラウドを主軸とする巨大企業 |
NVIDIA(NVDA) | 半導体 | AI・GPU市場で圧倒的なシェアを持つ |
Tesla(TSLA) | 自動車・EV | 電気自動車(EV)市場のリーダー |
Alphabet(GOOGL) | インターネット | Googleを運営する持株会社 |
Meta(META) | ソーシャルメディア | Facebook、Instagram、WhatsAppを展開 |
Broadcom(AVGO) | 半導体 | 通信・クラウド向け半導体の大手 |
Adobe(ADBE) | ソフトウェア | Photoshopなどのクリエイティブツールを提供 |
AMD(AMD) | 半導体 | CPU・GPU市場でNVIDIAやIntelと競争 |
- 特に影響力の強い「GAFAM」(Google, Apple, Facebook(Meta), Amazon, Microsoft)はNASDAQ100の時価総額の多くを占めており、指数の動きに大きく影響を与えます。
- NVIDIAやAMDなどの半導体企業の比率も高く、AI関連の成長とともに大きな影響を受ける指数です。
指数の特徴
NASDAQ100は、他の主要な指数(S&P 500やダウ平均)と比較して、特に以下のような特徴を持っています。
- テクノロジー比率が高い(約50%〜60%)
- NASDAQ100の最大の特徴は、テクノロジー企業の比率が圧倒的に高いことです。
これは、ハイテク分野が市場を牽引する現代の経済において、NASDAQ100が強力な成長性を持つ理由の一つとなっています。
- 成長性の高い企業が多く含まれる
- NASDAQ100は、成長企業の集まりであり、利益成長率の高い企業が選ばれる傾向にあります。
例えば、近年のAI技術の急速な発展により、NVIDIA(NVDA)の株価は短期間で急上昇しました。このような成長企業が指数の成長を牽引しています。
- 時価総額加重平均
- NASDAQ100は、時価総額加重平均によって計算されます。つまり、時価総額の大きい企業が指数全体の値動きに大きな影響を与えます。そのため、AppleやMicrosoftなどの超大手企業の株価が動くと、NASDAQ100全体の動きも大きく変動します。
- リバランスについて
- NASDAQ100指数は、時価総額加重平均方式を採用していますが、特定の銘柄への過度な集中を避けるため、定期的にリバランスを行っています。
- 通常のリバランス
- NASDAQ100は四半期ごと(3月、6月、9月、12月)にリバランスを実施します。単独で24%を超えるウエイトの銘柄が存在する場合、20%を超えないように調整します。ウエイトが4.5%を超える銘柄の合計が48%を超える場合、これらの銘柄の合計を40%に調整します
- 年次リバランス
- 毎年12月には、より厳格なリバランスが行われます。単独で15%を超える銘柄のウエイトを14%以下に調整します。上位5銘柄の合計ウエイトが40%を超える場合、38.5%に調整します。また、6位以下の銘柄は4.4%または5位銘柄のウエイトを上限とします。
- 特別リバランス
- 特別な状況下では、通常のスケジュール外でリバランスが実施されることがあります。例えば、2023年7月24日に特別リバランスが行われました。(少数の特定銘柄への過度な集中を是正すること、主要大型ハイテク株(GAFAM+エヌビディア+テスラ)の構成比率を55.5%から43.1%に低下させること)
- ボラティリティ(変動幅)が大きい
- NASDAQ100は、S&P 500やダウ平均と比較して価格の変動が大きい傾向があります。これは、成長企業が多く含まれるため、市場環境の変化による影響を受けやすいことが理由の一つです。
対象外の業種
NASDAQ100には、多くの成長企業が含まれていますが、金融セクターの企業は除外されています。
金融セクターが除外されている理由
- NASDAQ100は、成長企業を中心に構成することを目的としているため、金融機関(銀行、保険、投資会社など)は除外されています。
- これは、金融業が比較的安定した事業モデルを持ち、成長性よりも配当や安定性を重視する業界であることが関係しています。
金融株がないことの影響
- 他の主要な株価指数(S&P 500やダウ平均)は金融株の影響を受けますが、NASDAQ100は金融セクターの影響を受けません。
- そのため、金融危機(例:2008年のリーマンショック)の際には、NASDAQ100の下落率が他の指数と異なる動きを見せることもあります。
まとめ
NASDAQ100は、テクノロジー企業を中心とした成長性の高い指数であり、AppleやMicrosoft、Amazon、Teslaなどの世界的な大企業を含んでいます。特に、テクノロジー分野への集中度が高いため、今後の成長が期待される一方で、市場の変動リスクも大きいという特徴があります。
次章では、NASDAQ100の過去のパフォーマンスと市場動向について詳しく解説していきます。
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